- 稼げるようになったけど、確定申告ってどうすればいいの?
- 税金で損したくないけど、何から手をつければいいか分からない…
Webライターを始めたばかりの皆さんは、「確定申告」と聞くと何となく構えてしまう方も多いはず。特に会社員で副業ライターをしている場合、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、副業Webライターが税金で損をしないための基礎知識を分かりやすく解説します。
白色申告と青色申告の違い、確定申告の仕組みから賢い節税方法、そして開業届を出す際の注意点など、あなたのライター業を次のステップに進めるためのヒントが満載です。
「確定申告&節税対策」を学ぶ前に、ビジネススキルの全体像を把握しておきたい方は、まずこちらの記事をご覧ください。
▶ 「【Webライター必見】稼ぐためのビジネススキルとキャリア戦略」

現在会社に勤めながら副業でWebライターをしています。会社では雑誌の編集を担当しており原稿を依頼する側ですが、自宅ではWebライターとして仕事を受けています。
会社員の副業Webライター必見!確定申告の基本

副業Webライターは確定申告が必要なの?

年間の所得が20万円を超えると確定申告が必要です。
会社に勤めていると、税金に関する手続きは基本的に会社がしてくれるため、あまり意識することはないかもしれません。しかし、会社員が副業でWebライターの収入を得ている場合、税金のルールを把握する必要があります。
「年末調整」と「確定申告」の違い
会社員は「年末調整」、副業でWebライターをしている場合は「確定申告」が必要です。
それぞれの違いを解説します。
会社員の場合、毎月の給料から所得税が源泉徴収され、年末に会社が年間の正確な所得税額を計算し、過不足を調整してくれます。これがいわゆる「年末調整」です。
一方、Webライターとして収入を得ているあなたは、「個人事業主」という立場となります。個人事業主は、原則自分で年間の収入と経費を計算し、納めるべき税金を税務署に申告しなければいけません。これがいわゆる「確定申告」です。
年末調整 : 会社が手続きしてくれる。
確定申告 : 自分で手続きしなければいけない。
確定申告が必要になる条件
本業でWebライターをしている場合、一定程度の所得があることが前提なので、原則確定申告が必要です。一方、副業Webライターは、1年間(1月1日から12月31日)の所得が20万円を超えた場合に確定申告しなければいけません。
翌年の2月16日から3月15日までに税務署に確定申告します。
ここで注意したいのが、「収入」ではなく「所得」である点です。収入と所得の意味を解説します。
収入:クライアントから受け取った報酬の合計
所得:収入から、Webライターをするうえでかかった経費を差し引いた金額
例えば、年間の報酬が30万円でも、経費が15万円かかっていれば所得は15万円となり、確定申告は不要です。
報酬30万円ー経費15万円=所得15万円……所得が20万円を超えないので確定申告は不要
しかし、所得税の確定申告は不要でも、住民税は前年の所得に基づいて計算されるため原則申告が必要です。もし申告しなかった場合は、「延滞税」「無申告加算税」などのペナルティーが課されることもあるので注意しましょう!
また、所得が20万円を超えていなくても、報酬から所得税が源泉徴収されている場合は、確定申告することで税金が還付される可能性があります。そのため、確定申告するメリットがあるのです。
報酬の所得税を源泉徴収するかどうかは、クライアントが法人か個人かによって扱いが異なります。クライアントが法人の場合は、源泉徴収するところが多く、個人の場合は源泉徴収しません。
例)Webライターの報酬が5万円の場合
所得税:5,105円 → 確定申告によって、源泉徴収された所得税が還付される可能性がある。
差 額:44,895円 → クライアントから振り込まれる金額
【確定申告と住民税】
確定申告した場合には、その情報が自分の居住している市区町村に送られます。そのため、別途申告する必要はありません。
節税効果を最大化!「白色申告」と「青色申告」の違い
確定申告には、「白色申告」と「青色申告」の2種類があり、どちらを選ぶかで節税効果が大きく変わります。
「白色申告」はこんな人におすすめ
「白色申告」は副業でWebライターを始めたばかりで、売り上げもまだ不安定なライターにおすすめです。
帳簿付けが単式簿記で済むなど、青色申告に比べて手続きが圧倒的に簡単ですが、税金面では「青色申告」ほどのメリットはありません。そのため収入が増えた段階で、「白色申告」から「青色申告」に変更しましょう。
副業Webライターでも「青色申告」で節税を最大化
会社員の副業Webライターは「青色申告」ができないと思っている方もいるかもしれません。しかし、会社員でも青色申告は可能です。青色申告するためには、Webライターの仕事が事業所得に該当する必要があります。
事業所得とは、事業として客観的に認められる規模・態様、帳簿の保存があるかがポイントです。Webライターで継続して収入を得ており、複式簿記で記録する必要があります。
Webライターの仕事・収入が、一時的で継続していなければ雑所得に該当し、青色申告できません。
青色申告の最大のメリットは、最大65万円(e-Tax による申告や優良な電子帳簿の保存が条件)の特別控除があることです。
赤字だった場合には、翌年以後3年間にわたって赤字の繰り越しが可能で、大きな節税につながります。
また、自分の家族に対して支払い給与を「専従者給与」として経費に計上できるメリットがあります。
| 区分 | 白色申告 | 青色申告 |
|---|---|---|
| 所得の種類 | 雑所得または事業所得 | 事業所得 |
| 申告方法 | 簡易な帳簿付け (単式簿記) | 正規の簿記 (複式簿記) |
| 控除額 | ー | 最大65万円 |
| 所得が20万円超の場合 | 確定申告が必要(所得税) | 確定申告が必要(所得税) |
| 所得が20万円以下の場合 | 確定申告は不要(所得税) ただし、住民税の申告は必要 | 確定申告が必要 (赤字の場合、翌年以後3年間にわたって繰り越し可能) |
白色申告・青色申告をするには、どちらの場合でも事前に「開業届」を税務署に提出しなければいけません。さらに青色申告の場合は、「青色申告承認申請書」を提出し、複式簿記で帳簿をつける必要があります。
複式簿記はすべての取引を正規の簿記のルールに則って仕訳して記録する形式です。少し手間はかかりますが、会計ソフトを使えば簿記の知識がなくても簡単に作成できるので、節税メリットを考えると導入をおすすめします。
なお「青色申告承認申請書」を提出しなかった場合には、自動的に白色申告になってしまいますので、注意が必要です。
経費の賢い使い方!税金を取り戻すテクニック
所得を減らして税金を安くするには、「経費」を漏れなく計上することがポイントです。
これって経費になる?家賃・通信費などの判断基準
経費とは、「事業を行う上で必要な支出」のこと。Webライターの場合、以下のようなものが経費として認められます。
- 仕事で使う機材:パソコン、スマホ、モニター、周辺機器
- スキルアップのための費用:書籍、セミナー代
- 事務用品:文房具、インク代
- 旅費交通費:取材やクライアントとの打ち合わせにかかる費用
- お茶代:カフェでのクライアントとの打ち合わせ
また、自宅で仕事をしている場合、家賃や電気代、通信費の一部も経費にできます。これを「家事按分(かじあんぶん)」と言います。例えば、家賃の3割を作業スペースとして使っているなら、家賃の3割を経費として計上可能です。
【家事按分】
①家賃10万円:仕事スペースの面積割合が3割の場合
10万円の3割=3万円×12か月=年間36万円を経費にできます。
②通信費1万円:仕事での使用割合が6割の場合
1万円の6割=6千円×12か月=年間7万2千円を経費にできます。
独立する前に確認すべき!個人事業主登録の注意点
節税メリットを受けるためには、個人事業主として開業届を出す必要があると前章で解説しました。しかし、会社員が安易に開業届を出すと、思わぬ落とし穴にはまることもあります。
会社の「就業規則」は大丈夫?確認ポイント
まず、勤めている会社の就業規則を必ず確認しましょう。会社によっては、副業を禁止していたり、事前に許可が必要だったりすることがあります。就業規則に違反すると、懲戒処分の対象となる可能性もあります。
雇用保険が使えない?個人事業主登録の意外な落とし穴
会社員として雇用保険に加入していても、個人事業主として開業届を出すと、退職した際に失業手当がもらえない可能性があります。
雇用保険は「失業」を前提としているため、個人事業主として事業を継続していると、失業状態とみなされないことがあるからです。この点を理解した上で、開業届を出すかどうかを判断しましょう。
Webライターにおすすめの会計ソフト
確定申告の作業を効率化するためには、便利なツールを活用することが重要です。
おすすめの会計ソフト3選
確定申告の作業を大幅に効率化できるのが、クラウド会計ソフトです。初心者でも安心して使える、おすすめの会計ソフト3選をご紹介します。
❶ 【freee会計】
freee会計は、法人向け・個人向けプランがあり、個人事業主・副業の方は個人向けプランを利用します。個人向けプランには、「スターター」「スタンダード」「プレミアム」の3種類あり、Webライター初心者であれば、まずはスターターで十分でしょう。
<主な機能>
・確定申告書類の作成(白色・青色対応)
・確定申告書の提出(電子申告対応)
・銀行やクレジットカードからの明細取得
・見積書・請求書の作成
・チャット・メールの基本サポート
❷【マネーフォワード クラウド確定申告】
マネーフォワード クラウド確定申告には、「パーソナルミニプラン」と「パーソナルプラン」の2種類があります。初心者は、まずはパーソナルミニプランで十分でしょう。
<主な機能>
・確定申告書類の作成(青色・白色対応)
・確定申告書類の提出(電子申告)
・銀行・クレジット明細の自動取込
・メール/チャットサポート(操作方法)
・契約書の作成
・レシート撮影 月15件まで無料
❸【やよいの白色申告オンライン】【やよいの青色申告オンライン】
やよいの青色申告オンライン弥生は、「やよいの白色申告オンライン」と「やよいの青色申告オンライン」の2種類があります。確定申告を白色・青色どちらでするかで使い分けましょう。
<主な機能>
・確定申告書の作成・e-Tax
・仕訳・記帳の自動化
・経営状況の見える化
・金融機関連携
まとめ
Webライターの確定申告は、難しそうに感じますが、ポイントを押さえて早めに準備すれば決して怖いものではありません。所得が20万円を超えたら確定申告の準備を始めましょう。
所得が少ない初期は白色申告で、増えてきた段階で青色申告を検討し、大きな節税効果を狙うのがおすすめです。日々の経費を領収書やレシートでしっかり記録しておきましょう。
会社の就業規則や雇用保険のリスクも考慮して、個人事業主登録を判断してください。会計ソフトや事業用の銀行口座を導入して、経理を効率化しましょう。
この記事を参考に、賢く税金と向き合って、あなたのWebライター業を更に成長させていきましょう。
「確定申告&節税対策」を理解したら、ぜひ次の記事を読んでみてください。
▶「【Webライター必見】稼ぐためのビジネススキルとキャリア戦略」