「拝啓・敬具」と「謹啓・謹白」の違いとは?使い分けをやさしく解説

本記事では、以下のようなお悩みを解決します!
  • 「拝啓・敬具」と「謹啓・謹白」の違いは?
  • 「拝啓・敬具」と「謹啓・謹白」は、どお使い分けるの?
  • 具体的な使い方を知りたい!
  • 頭語と結語の組み合せ例を知りたい!

現在会社に勤めながら副業でWebライターをしています。会社では雑誌の編集を担当しており原稿を依頼する側ですが、自宅ではWebライターとして仕事を受けています。

この記事『「拝啓・敬具」と「謹啓・謹白」の違いとは?使い分けをやさしく解説』を実践すれば、初心者でも頭語(とうご)結語(けつご)の適切な使い方が分かりますよ!


手紙やビジネス文書の冒頭と結び、何気なく使っている「拝啓・敬具(はいけい・けいぐ)「謹啓・謹白(きんけい・きんぱく)


どちらも相手に丁寧な印象を与えますが、実は敬意の度合いや、ふさわしい場面が異なります。「あれ?どっちを使えばいいんだっけ?」と迷った経験はありませんか?


ビジネス文書での重要な連絡、お祝いの手紙など言葉選び一つで、相手に与える印象は大きく変わります。もし、状況にそぐわない表現を使ってしまえば、意図せず失礼にあたる可能性も。


この記事では、そんな「拝啓・敬具」と「謹啓・謹白」の違いを、初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説します。


それぞれの言葉が持つ意味合いから、具体的な使用場面、相手との関係性による選び方まで、例文を交えながら徹底的にご紹介します。


正しい知識を身につけ、相手に気持ちがしっかりと伝わる、より丁寧で洗練されたコミュニケーションを実現しましょう。じっくりご覧ください。

  1. 「拝啓」と「敬具」とは?それぞれの意味を理解しよう
    1. 「拝啓」ってどんな意味? – 親しみやすさも持つ丁寧な書き出し
      1. 「拝啓」の意味:「相手を敬う気持ち」
      2. どんな時に使う? – 手紙、ビジネス文書など
      3. 例文でチェック! – 具体的な使用例でイメージを掴む
    2. 「敬具」は文章の終わりを飾る大切な言葉
      1. 「敬具」の基本的な意味合い:「敬意をもって結ぶ」
      2. 「拝啓」とのセットが基本! – 一緒に使う理由
      3. 女性が使う「かしこ」という結語
  2. より丁寧な「謹啓」と「謹白」とは?それぞれの意味を理解しよう
    1. 「謹啓」ってどんな意味? より丁寧な書き出し
      1. 「謹啓」の意味:「より一層相手への敬意を表す」
      2. どんな時に使う? – フォーマルな場面、目上の方への手紙など
      3. 例文でチェック! – 具体的な使用例でイメージを掴む
    2. 「謹白」でさらに丁重に締めくくる
  3. 一目でわかる!「拝啓・敬具」VS「謹啓・謹白」徹底比較
    1. 丁寧さレベルを比較 – どちらがより丁寧?
    2. 手紙・文書の種類で「頭語・結語」を使い分ける
    3. 取引先との関係性で選ぶ
    4. 手紙・文書の目的で選ぶ
    5. 早見表で確認! – 状況別使い分けチャート
  4. 知っておくとさらに安心!頭語と結語のQ&A
    1. 頭語と結語は必ずセットで使うの?
    2. 「頭語と結語」には他にどんなものがある?(例:「前略」「草々」など)
    3. メールで「拝啓」「謹啓」は使った方がいいの?
    4. 縦書きと横書きで使い分けは必要?
  5. まとめ

「拝啓」と「敬具」とは?それぞれの意味を理解しよう

「拝啓」と「敬具」って何ですか?

「拝啓」は「頭語」、「敬具」は「結語」と呼ばれ、それぞれ前文と末文に使われます。

日常生活やビジネスシーンにおいて、「拝啓」と「敬具」を使う場面は数多く存在します。この頭語と結語の組み合わせは、プライベートからビジネスまで、幅広く使えるのが特徴です。


「拝啓」と「敬具」を使う手紙・文書の構成は、以下の五つに分けられます。

文章構成記 載 内 容
① 前文手紙の冒頭の部分で、「頭語」「時候の挨拶」「安否の挨拶」など
「時候の挨拶」を省略する場合には「時下(じか)」が使われます。
② 主文手紙の本題の部分で、改行して一文字下げて「さて」「このたびは」などの「起辞(きじ)」で書き始め、内容を分かりやすく記載
③ 末文手紙の末尾の部分で、「結びの挨拶」の後「結語」
④後付け 日付
差出人名(行の右端から一文字空けて書く)
宛名(行の左端から書く)
⑤ 副文「追伸」など
(主文で書き忘れた内容や、念のため付け加えたいことを書く。目上の相手には書かないように注意しましょう)


それぞれの意味を1~2の順で解説しますのでご覧ください!

「拝啓」と「敬具」それぞれの意味
  1. 「敬具」は文章の終わりを飾る大切な言葉

「拝啓」ってどんな意味? – 親しみやすさも持つ丁寧な書き出し

「拝啓」にはどういった意味があるか、解説します。

「拝啓」の意味:「相手を敬う気持ち」

「拝啓」は、手紙やビジネス文書の冒頭で、相手に敬意を表すために用いられる言葉です。「拝」という文字には、「おがむ・おじぎをする」といった意味があり、「啓」には「申し上げる」という意味があります。


これらを組み合わせることで、「つつしんで申し上げます」という、相手への敬意を示す謙譲の気持ちを表しています。

どんな時に使う? – 手紙、ビジネス文書など

「拝啓」は、「謹啓」ほどかしこまった印象はなく、プライベートからビジネスまで比較的幅広い相手や場面で使用できる頭語です。


例えば、友人や知人への手紙や、取引先への一般的なビジネス文書、学校やPTAへの連絡文書など、多くの場面で使うことができます。


かしこまりすぎず、失礼のない丁寧さを保ちたい場合の頭語に、「拝啓」は適しています。

例文でチェック! – 具体的な使用例でイメージを掴む

この例からもわかるように、「拝啓」は、相手への基本的な敬意を示しつつ、続く本文へとスムーズに繋げる役割を果たしています。

場 面使 用 例
取引先への文書  拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございます。
 さて、○○~   


「敬具」は文章の終わりを飾る大切な言葉

「敬具」は、「拝啓」で始まる文章の「結語」としてセットで使われる大切な言葉です。

「敬具」の基本的な意味合い:「敬意をもって結ぶ」

「敬具」は手紙やビジネス文書の結びで、相手への敬意を表しつつ文章を丁寧に締めくくる結語です。


「敬」は「うやまう」、「具」は「そなわる」「つぶさに」といった意味合いを持ち、全体として「敬意を込めて申し上げます」という気持ちを表します。


頭語である「拝啓」と対になる形で使用されることが一般的です。

「拝啓」とのセットが基本! – 一緒に使う理由

「拝啓」で始まり「敬具」で終わる組み合わせは、手紙やビジネス文書における頭語と結語の基本構成の一つです。


頭語で相手への敬意を示し、結語で改めて敬意をもって締めくくることで、全体として丁寧な印象を与えます。この組み合わせは、バランスが取れており、多くの場面で使用できます。

女性が使う「かしこ」という結語

「敬具」が男女問わず使える一般的な結語であるのに対し、女性が親しい間柄への手紙で用いる結語として「かしこ」があります。


「かしこ」は、「恐れ多い」という意味合いを持ち、相手への敬意と親愛の情を込めた、やや柔らかな印象を与える言葉です。


ただし、ビジネス文書や目上の方への手紙では使わないようにしましょう


より丁寧な「謹啓」と「謹白」とは?それぞれの意味を理解しよう

「拝啓」「敬具」より丁寧な頭語・結語に、「謹啓」「謹白」があります。その意味について、良く理解していない方も多いと思います。


ここで「謹啓」「謹白」の意味をしっかり理解すれば、適切に使えるようになります。


1~2の順で解説しますのでご覧ください!

「謹啓」と「謹白」それぞれの意味
  1. 「謹白」でさらに丁重に締めくくる

「謹啓」ってどんな意味? より丁寧な書き出し

「謹啓」ってどんな意味なのでしょうか?考えたこともない、調べたこともないとい方も多いのではないでしょうか。

「謹啓」の意味:「より一層相手への敬意を表す」

「謹啓」は「拝啓」よりも更に丁寧な書き出しの頭語で、相手への敬意を特に強く示したい場合や、改まった場面に使用されます。


「謹」には「つつしむ」「慎む」という意味があり、「啓」と組み合わせて、拝啓よりもより敬意は高く「つつしんで申し上げます」という意味になります。

どんな時に使う? – フォーマルな場面、目上の方への手紙など

「謹啓」は公式な文書や目上の方への手紙など、よりフォーマルな場面で用いられることが多い頭語です。


ビジネスシーンにおいて特に用いられ、会社の各種案内など格式を重んじる場合に使われます。相手への深い敬意を示すことで、より丁寧で荘重(おごそかで重々しい)な印象を与えます。

【使用場面】
 ・会社の社名変更
 ・会社幹部の就任、退任
 ・会社の事務所移転
 ・会社設立
 ・会社イベントの通知


例文でチェック! – 具体的な使用例でイメージを掴む

「謹啓」は相手への深い敬意と、改まった気持ちを表すのに適していますが、以下に具体例をご紹介します。

場 面使 用 例
取引先への文書   謹啓 初夏の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、○○~  


「謹白」でさらに丁重に締めくくる

「謹白」は、「謹啓」とセットで使われる、より丁重な結語です。「謹」は「つつしむ」、「白」は「申し上げる」で、全体として「つつしんで申し上げます」という意味を表します。


「つつしんで申し上げます」は「敬具」と同じ意味ですが、「敬具」よりも更に丁寧で、相手への敬意を強く示したい場合に使われます。


「拝啓」「敬具」が比較的幅広い場面で使えるのに対し、「謹啓」「謹白」はよりフォーマルな状況や、特に敬意を払いたい相手に対して用いられます。


どちらを使ったらいいか迷った場合は、相手との関係性や文書の目的に照らし合わせて、より適切な方を選びましょう!


一目でわかる!「拝啓・敬具」VS「謹啓・謹白」徹底比較

「拝啓・敬具」と「謹啓・謹白」を比較して、どちらが適切かを解説します。


1~5の順で解説しますのでご覧ください!

「拝啓・敬具」VS「謹啓・謹白」徹底比較
  1. 使う場面の違い – ビジネス、フォーマル、カジュアル
  2. 取引先との関係性で選ぶ
  3. 手紙・文書の目的で選ぶ
  4. 早見表で確認! – 状況別使い分けチャート

丁寧さレベルを比較 – どちらがより丁寧?

「謹啓・謹白」の組み合わせは、「拝啓・敬具」の組み合わせよりも、一段階丁寧な表現となります。相手への敬意の度合いがより強く、改まった印象を与えます。


「拝啓・敬具」➡「謹啓・謹白」(より丁寧)

手紙・文書の種類で「頭語・結語」を使い分ける

手紙や文書の種類によって「頭語・結語」を適切に使い分けましょう!

頭語・結語手紙・文書の種類
 拝啓・敬具  日常的な手紙、一般的なビジネス文書
 謹啓・謹白  フォーマルなビジネス文書、目上の方への重要な手紙、公式な文書、特に丁寧な対応が求められる文書
頭語や結語を省略  友人などへの手紙では、頭語や結語を省略。よりくだけた表現を用います。
ビジネスメールを送信する際には、特別の事情がない限り頭語や結語を省略するのが一般的です。


取引先との関係性で選ぶ

ビジネスシーンにおいては、取引先と関係性で「頭語・結語」を選びましょう。新規顧客や一般的な取引先は「拝啓・敬具」を使います。


重要な取引先は通常よりも高い敬意を示して「謹啓・敬具」を使います。

関係性/頭語・結語理 由
新規の取引先 ⇒「拝啓・敬具」 
「拝啓・敬具」は比較的柔らかい印象を与えるため、親しみやすさや今後の良好な関係構築への期待感を伝えるのに適しています。
「謹啓・謹白」は新規の取引先に対して少し重すぎるため、距離感を感じさせてしまう可能性があります。 
重要な取引先「謹啓・謹白」重要な取引先に対しては、最高の敬意を示す「謹啓・謹白」を使用します。
一般的な取引先「拝啓・敬具」つきあいの長い一般的な取引先は「拝啓・敬具」を使用します。適度な丁寧さがあり、親近感も示せます。


手紙・文書の目的で選ぶ

手紙・文書の目的に応じて 、「頭語・結語」を選びましょう。

目的頭語・結語
お礼状感謝の気持ちを伝えるため、一般的には「拝啓・敬具」を使います。
状況によって少し丁寧に伝える場合には「謹啓・謹白」を使用します。
お詫び状  
お詫びの重大さにもよりますが、謝罪と反省の気持ちをより強く伝えるため、原則「謹啓・謹白」を使いましょう。
一般的な手紙で書く、時候の挨拶は不要です。


早見表で確認! – 状況別使い分けチャート

状 況相手との関係性丁寧さレベル推奨される頭語・結語
親しい間柄の手紙親しい友人・知人くだけた省略または簡単な挨拶
普通の手紙・文書普通の友人・知人普通簡単な挨拶または拝啓・敬具
一般的なビジネスメール   取引先普通省略または簡単な挨拶
フォーマルな手紙・文書  目上の方、公的機関丁寧謹啓・謹白
お祝い状・お悔やみ状関係者全般丁寧謹啓・謹白
特に丁寧なビジネス文書   重要な取引先、顧客より丁寧謹啓・謹白



知っておくとさらに安心!頭語と結語のQ&A

「拝啓・敬具」と「謹啓・謹白」を比較して、どちらが適切かを解説します。


1~4の順で解説しますのでご覧ください!

頭語と結語のQ&A
  1. 「頭語と結語」には他にどんなものがある?(例:「前略」「草々」など)
  2. メールで「拝啓」「謹啓」は使った方がいいの?
  3. 縦書きと横書きで使い分けは必要?

頭語と結語は必ずセットで使うの?

原則として、頭語と結語はセットで用います。どちらか一方を省略すると、バランスが悪く失礼な印象を与える可能性があります。


書き忘れや、書き間違いの無いよう必ず正しい頭語と結語のセットで使いましょう!

「頭語と結語」には他にどんなものがある?(例:「前略」「草々」など)

「前略」「草々」は、時候の挨拶を省略する場合に用いられる、ややくだけた頭語と結語の組み合わせです。親しい間柄や、急ぎの用件を伝える際に使われますが、目上の方やフォーマルな場面では避けましょう。


他にも、「急啓・草々」「拝復・敬具」など、特定の状況で用いられる頭語と結語の組み合わせがあります。


メールで「拝啓」「謹啓」は使った方がいいの?

ビジネスでメールする際は、原則「拝啓・敬具」といった頭語・結語は省略しましょう。また、「時候の挨拶」など「前文・末文」も省略しましょう。


絶対に書いてはいけない、という決まりはありません。無くても良いとされており、実際、僕もビジネスメールを受け取った際に頭語・結語があった経験はありません。

ビジネスメールは用件をできるだけ簡素に伝え、相手に負担をかけないようにする必要があります。そのため、頭語・時候の挨拶などは書かず、要件をできるだけシンプルに分かりやすく書きましょう。


親しい取引先への簡単な連絡であれば、「いつもお世話になります」といった簡潔な書き出しで十分です。

縦書きと横書きで使い分けは必要?

頭語や結語の使い分けは、縦書きか横書きかによって変わることは基本的にありません。大切なのはここまで解説したとおり、相手との関係性や文書の目的に応じた適切な表現を選ぶことです。


まとめ

本記事では、「拝啓・敬具」と「謹啓・謹白」という頭語と結語の違いと、状況に応じた使い分けを解説しました。それぞれの言葉が持つ敬意の度合いを理解することで、より適切な頭語と結語を選べます。

「拝啓・敬具」は、比較的幅広い相手や場面で使える組み合わせで、「謹啓・謹白」は、より深い敬意を示したい場合や、公式な文書、目上の方への重要な連絡など改まった場面に適しています。

どちらを選ぶかは、相手との関係性、文書の目的、そして伝えたい丁寧さを考慮しましょう。新規の取引先には「拝啓・敬具」、重要な取引先には「謹啓・謹白」が適しているなど、状況によって最適な表現は異なります。お礼状やお詫び状といった文書の種類によっても、適切な組み合わせが変わってきます。

なお、ビジネスメールでは頭語や結語を省略するのが一般的です。

言葉は、相手との関係性を築き、気持ちを伝える大切な手段です。「拝啓・敬具」と「謹啓・謹白」を正しく使い分けることは、相手への敬意を示すだけでなく、よりスムーズで丁寧なコミュニケーションにつながります。

この記事が、皆様が今後手紙や文書を作成する際に、適切な言葉を選ぶための一助となれば幸いです。状況に応じた丁寧な言葉遣いを心がけ、より良いコミュニケーションを実現してください。

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